退院したら映画『ゲスト』ネタバレ解説・感想・あらすじ/The Uninvited (2009)
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どーも、幸せな家庭は宝、丸山です。 今回は『ゲスト』ですよ。
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引用:https://www.imdb.com/title/tt0815245/mediaviewer/rm173642752/ |
『ゲスト』は2009年のアメリカのホラー映画です。精神病院から退院した妹が数々の恐怖に襲われます。
この映画は何ですか?
「サスペンス」です。
何が起きているか謎のまま進んで行きます。
あらすじは?
母の死が原因で精神病院に入院していた妹が退院します。
家に戻ると父は既に別の女性と交際していました。
姉は父カノを悪く言い、妹が抱く母との思い出さえも否定します。
妹は時折、幽霊に襲われます。
母の死の謎は解けるのでしょうか。
登場人物
主人公アナ(妹)
精神病院に10か月間入院していたアナは退院し、母のいない自宅へ戻ります。
アナはたびたび幽霊を見ますが、それが何なのかは謎です。
アレックス(姉)
アナの姉。母の死後もアレックスは入院せずにアナの帰りを待っていました。
最初は自分だけ入院したアナを責めましたが、すぐに結束して母の死を探ります。
スティーブン(父)
姉妹の父。未婚で新しい女性レイチェルと生活しています。
娘の事よりも交際女性の事を優先しているような酷い父親です。
レイチェル(父の彼女)
主人公の父と交際中の女性。死んだ母の看護師。
アナの回復については懐疑的で、常に様子を伺っています。
マット(男友達)
アナの友達。事件の真相を知る人物。
マットの発言がきっかけでアナは母の死に迫ります。
みどころは?
複雑な家庭
退院したての妹を「自分だけ逃げた」と責める姉、
家族に相談せずに早々に再婚しようとする父、
父を操る危険な父カノ。
こんな家庭じゃ妹も姉もかわいそうですよね。
妹の活躍
母の死の真相に近づいていく妹の活躍を心地よく応援できます。
父カノの脅威
立場を悪用して娘たちもコントロールしていきます。
オススメポイント
ファンタジックな雰囲気の中で突然幽霊が出てきたりしますが、ホラーとしてはかなりマイルド。
全体的にホラー映画というよりはサスペンス寄りです。
怖いのは苦手だけどちょっとぐらいならいいよっていう人に推してみて下さい。
結末はかなり予想外なので、じっくり楽しんでください。
Dean Paul Gibson
そっち方面がお好きな方に刺さりそうな熊おじさん俳優が出ていますのでお好きな方はどうぞ検索なさってください。
14年前の出演なので、今は結構おじいさんかもしれませんね。
どこで観れますか?
https://www.netflix.com/browse?jbv=70109690
父が酷すぎる?
妹が退院した当日に父と父カノの夜の営みが壁越しに聞こえてしまうなんて、妹には辛すぎますよね。
この父親は酷いな…
と思いながら観ていくわけですが、
意外な結末となりました。
こうなってしまうと、妹が体験していたもの全てが怪しくなってしまうんですよね。
父はそこまで酷くはなく、
酷いのは父カノだけなのかもしれません。
もしかしたら、父カノですら酷くはないのかも…。
ラストの意味
- 姉は死んでいた。妹は幻覚を見ていた。
- 母と姉を殺したのは妹だった。その精神的ショックから入院となった。
- 男友達マットも妹が殺していた。
- 姉の幻覚が「母を殺したのは父カノ」と言っていたのも、妹自身の作り出した逃避的なシナリオ。
- 妹が父カノの本名を「ミルドレッド・ケンプ」だと思い込んでいたという元ネタは、精神病院の患者仲間の名前だった。
結局、妹が見ていた幽霊は、全て妹自身の幻覚だったという事なのでしょう。
しかし妹が異常だった、で終わらせるには少しもったいないようです。少し考察してみましょう。
最後の最後、妹は向かいの病室のミルドレッドに「お帰りなさい」と言われるとにやつきます。医師に対しては、「言われたとおりに自分でケリをつけた」と言います。
このケリをつけたの意味を考えてみます。
妹の目的
妹には恐らく、幻覚モードと正気モードがあります。
少なくともラストシーンのにやつきは正気モードではないかと思われます。悪意を発しているからです。
「ケリをつけた」の意味は何でしょうか?
妹が成し遂げたのは、父カノの殺害でした。これが目的だったのでしょうか。
父カノの殺害によって訪れるのは、父の不幸と、自身の再入院です。
姉は死んでいるので状況に影響しません。
父を不幸にすると何かケリがつくのでしょうか?
そもそも、自分の不手際によって母と姉を殺してしまったのです。更に父を不幸にする事が何になるというのでしょうか。
そこで考慮するのが「現在の父の状況」です。
妹から見れば、母の死を悼むどころか、新しい女と再婚を進めようとしています。妹にとってこれは許せないのでしょう。
妹にとって許せないのは、母と姉を殺した自分自身。そして新たに、新しい家族と幸せになろうとする父が加わったのです。
父カノを殺せば父の幸せを阻止できます。これが妹の言う「ケリをつけた」の真相ではないでしょうか。
つまり、妹に正気などなかったのです。
そして、
退院は間違いだったという父カノの判断は正しかったのです。
責任転嫁
別のパターンもあります。
妹の幻覚において、父カノを殺したのは自分ではなくあくまでも姉です。
妹の認識上は、自分は殺していないのです。
母と姉を殺した妹の自責の念が、
「だったら父カノを姉が殺せばいいじゃん」
と考えたのかもしれません。
この場合、
殺したのは姉なので、
「自分も姉も人を殺した」
という事になり、
自分だけが人殺しじゃないんだ
と心のバランスを取れるのかもしれません。
どっちにしても妹が異常すぎるお話でした。
もう一度観る?
妹が見ている姉の幻覚は、妹自身は幻覚だと思わずに接しています。
それに対して、周囲は姉の幻覚の存在を知りません。
この点が矛盾しないようにうまく作られているので、一度観た後でもう一度観る楽しみがあります。
具体的には、姉に反応するのは妹だけです。
周囲の人たちは姉の発言に一切反応しません。
例えば姉との会話シーンで父カノが怪訝そうにしている理由などが二度観ると明らかになったりするので、二回目は違った視点で楽しめます。
余談ですが
邦題が『ゲスト』なんですが、
何がゲストなんだろうか???
と思いませんか。
原題はUninvitedですから、「招かれざる者」といった感じ。
組み合わせれば、招かれざるゲストという事なのだと思いますが、邦題と原題をMIXしないと意味が通じない邦題なんてありえません。
では邦題は何を指しているのでしょうか?
定かではないものの、父カノ、もしくは妹のどちらかではないかと思いますが、
原題にない意味を邦題に求めてもしょうがないですよね。
まさか、妹が見る幽霊がゲストじゃないでしょうし。
どうして「招かれざる者」から、ゲスト=客に変わってしまったのか。
またしても邦題のセンスが問われる事態となっているのでした。
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